使い方ガイド
ルアーパーツ モデラー v0.7 対応 ・ 寸法表や材質の資料は 記事一覧
1. このツールでできること
ルアーに使う小さな金属パーツの3Dモデルを、寸法を入力するだけで作れます。作ったモデルは CAD・3Dプリンター・シミュレーションなどで使えるファイルとしてダウンロードできます。
- 作れるパーツ:円筒(ウェイト・ピン)、球(ウェイト・ビーズ)、ナツメ型オモリ、平打ちスプリットリング、エイト環
- 計算できる値:体積、質量、水中重量(淡水・海水)、重心の位置
- 出力できる形式:STEP、3MF、STL、OBJ、PLY、glTF
計算と3Dモデルの作成はすべてお使いのブラウザの中で行われ、入力した寸法がサーバーに送られることはありません。
2. 無料版と今後の有料版について
このツールは、次の流れで育てていきます。
- いま:無料版で情報を集め、改良を重ねる
現在公開しているのは無料版です。実際に使っていただいたご意見・ご要望・不具合の報告をもとに、パーツの種類や寸法の決め方、計算の精度などを改良し、アップデートしていきます。 - これから:Autodesk Fusion 用スクリプトを有料版として提供する
無料版で改良した内容をもとに、Autodesk Fusion の中で直接パーツを作図できる「Fusion 用スクリプト」を有料版として提供する予定です。有料版では、Fusion の機能で正確な形状を作図し、物理マテリアル(密度)の設定まで自動で行い、寸法を後から変更できるようにすることを目指しています。
| 無料版(このページのツール) | 有料版(準備中) | |
|---|---|---|
| パーツの作成・プレビュー | ○ | ○(Fusion の中で) |
| 質量・水中重量・重心の計算 | ○ | ○ |
| STEP・3MF・STL などの出力 | ○ | ― |
| Fusion での正確な作図・材質設定・寸法の後からの変更 | ―(STEP の読み込みで代用) | ○ |
提供の時期・価格・内容は、決まりしだいこのガイドでお知らせします。無料版は今後も公開を続ける予定です。
「こんなパーツがほしい」「この寸法で作れない」「Fusion でこう使いたい」といったご意見は、お問い合わせフォームからお寄せください。無料版の改良と、有料版の内容づくりに活かします。
3. 基本の使い方
- パーツを選ぶ:画面左上のタブ(円筒/球/スプリットリング/エイト環/ナツメ錘)から選びます。
- 寸法を入力する:単位は mm です(画面右上のスイッチでインチにも切り替えられます)。入力すると右側のプレビューがすぐに変わります。
- 材質を選ぶ:質量や水中重量の計算と、出力ファイルに書き込む材質情報に使われます。
- 出力形式を選んで「生成してダウンロード」を押します。
プレビューはマウスのドラッグで回転、ホイールでズームできます。「プレビュー」ボタンを押すと、パーツ全体が見える位置にカメラが戻ります。グリッドの1マスの大きさは、プレビュー左上に表示されます。
入力値に問題があるときは、ボタンの上に赤い文字で理由が表示されます(例:「面取り量は半径未満にしてください」)。
画面右上の「日本語|English」で、ツール画面の表示言語を切り替えられます。選んだ言語はブラウザに記憶され、次回も同じ言語で表示されます(このガイドは日本語と英語、利用規約・プライバシーポリシーは日本語のみです)。
画面右上の「mm|inch」で、寸法の表示と入力の単位を mm とインチで切り替えられます。インチ表示では、寸法・重心はインチ、体積は in³、質量と水中重量は g に加えて oz(オンス)でも表示され、プレビューのグリッドもインチ刻みになります。切り替えても形は変わらず、何度切り替えても数値がずれることはありません。選んだ単位はブラウザに記憶されます。
インチ表示にしても、出力ファイルの単位は mm のままです(STEP・STL・3MF などは mm が標準で、CAD やスライサーが単位を正しく扱えるため)。
4. パーツごとの寸法
円筒
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 直径・長さ | 円筒の外径と長さ |
| 面取り(C面) | 上端・下端の角を45°で削る量。チェックを入れた辺だけに付きます。プレビュー上の青い辺をクリックしても選べます(選んだ辺はオレンジ色)。面取り量は半径未満、上下の合計は長さ未満にしてください。 |
球
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 直径 | 球の外径 |
| 貫通穴(中通し) | チェックを入れると、中心を通る穴をあけます。数値は穴の直径で、球の直径未満にしてください。 |
ナツメ錘(ナツメ型オモリ)
釣り用の中通しオモリでよく使われる、ナツメの実のような形です。輪郭は両端に向かって細くなる楕円形で、両端は平らな端面になっていて、軸に沿って糸を通す穴があります。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 最大径・全長 | いちばん太いところの直径と、端面から端面までの長さ |
| 端面径 | 両端の平らな面の直径。最大径より小さく、穴径より大きくしてください。 |
| 穴径 | 糸を通す穴の直径。0 にすると穴なしになります。 |
| ふくらみ(形状係数) | 輪郭のふくらみ具合(1.2〜4)。2 でちょうど楕円、小さいほど両端に向かって細身に、大きいほど胴が張った形になります。 |
重さから寸法を決める
「重さから寸法を決める」で号数を選んで「この重さに合わせる」を押すと、選んでいる材質の密度でその重さになるように、最大径・全長・端面径を同じ比率のまま拡大・縮小します(穴径は変えません)。たとえば同じ3号でも、鉛とタングステンでどれだけ大きさが変わるかを比べられます。
- 号数は、釣具として一般的に売られているナツメオモリのラインナップ(0.2号〜100号の27種類)から選べます。
- 1号 = 3.75 g として計算します。質量の欄には、号数に換算した値も表示されます。
- ナツメ錘を選ぶと、材質は最初から「鉛」になります(ほかのパーツはステンレス SUS304)。別の材質で計算したいときは、先に材質を選んでからボタンを押してください。材質を後から変えた場合は、もう一度押すと寸法が計算し直されます。
初期値の比率(全長=最大径×2.55、端面径=最大径×0.25、ふくらみ 1.7)は、市販の中通しナツメオモリの実寸(60〜100号)と重さから求めた値で、鉛で計算した重さは実物と ±3% 程度で一致します。メーカーや号数によって形は少しずつ違うので、実物に合わせて調整してください。
スプリットリング
初期設定は、断面を平らにつぶした「平打ち」タイプです。各巻きは平らに重なり、線の端どうしが向き合う位置で1巻きごとに段差(ジョグ)を付けて1段上がります。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 外径 | リングのいちばん外側の直径。内径は「外径 − 幅 × 2」で、寸法欄に表示されます。 |
| 断面の幅・厚み | 線の断面の寸法。幅はリングの半径方向、厚みは軸方向(重なる方向)です。 |
| 断面形状 | 「平打ち(側面R)」は上下が平らで側面が丸い形、「長方形」は角のある形です。 |
| 側面R | 平打ちの側面の丸みの半径。厚みの半分で半円になり、大きくするほど緩やかな丸みになります。厚みの半分以上にしてください。 |
| 巻き形状 | 「平巻き+ジョグ」は実物の平打ちリングに近い形、「螺旋」は一定の傾きで巻き上がる形です。 |
| ジョグ角度 | 段差をつける範囲の角度(5〜180°)。小さいほど急な段差になります。 |
| 巻き数 | 初期値は 1.9 です。2.1 や 1.95 のように小数で指定できます。2巻を超える部分は3段目として重なります。 |
| 線間のすき間 | 上下に重なる線の間のすき間。0 でも、形状が壊れないよう内部では 0.001 mm だけ離しています(体積・質量には影響しません)。 |
エイト環
1本の線で両端に輪(ループ)を作り、中央のくびれで2本の線が平行に接する形です。線は交差しません。寸法の定義は、市販品の寸法表で一般的に使われているものと同じです。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| プリセット | 市販品によくあるサイズ(線径/ループ内径/全長)を選ぶと、寸法がまとめて入ります。数値を変えると「カスタム」になります。 |
| 線径 | 線の太さ |
| ループ1 内径 D1・ループ2 内径 D2 | 左右の輪の内側の直径。左右で違う大きさにできます。 |
| 中心間距離 E | 左右の輪の中心どうしの距離 |
| くびれ幅 F | 中央のくびれ部分の外側の幅。2本の線がぴったり接する場合は線径の2倍です。 |
| くびれR | 輪とくびれをつなぐ曲がりの半径。E が短くて入らないときは自動で小さくし、寸法欄に「(自動調整)」と表示します。 |
| ループ2先端の開き | 線の両端が向き合うすき間。0 にすると閉じた形になります。 |
| A・B・C(自動計算) | A・B は輪の外径(D + 線径 × 2)、C は全長(E + (A + B) ÷ 2)です。 |
5. 材質と計算値
材質はステンレス(SUS304・SUS316)、鉛、タングステン(純・合金)、ビスマス、真鍮、銅、鉄、亜鉛、錫、チタン、アルミから選べます。「カスタム」を選ぶと、材質名と密度(g/cm³)を自分で入力できます。合金の密度は一般的な値なので、正確な値は購入先の仕様で確認してください。
| 表示 | 計算方法 |
|---|---|
| 体積 | パーツの形状から計算(mm³) |
| 質量 | 体積 × 材質の密度 |
| 水中重量(淡水) | 質量 − 体積 × 1.000 g/cm³(水に沈めたときに感じる重さ) |
| 水中重量(海水) | 質量 − 体積 × 1.025 g/cm³ |
| 重心 (x, y, z) | 出力ファイルの座標系での重心の位置(mm)。座標系と原点を参照。 |
体積・質量・重心は、プレビューの多角形ではなく形状の式から計算しているため、「分割数」を変えても値は変わりません。
6. 出力形式の選び方
| 使い道 | おすすめの形式 | 特徴 |
|---|---|---|
| Autodesk Fusion でモデリングする | STEP | Fusion で開けます。材質は読み込み後に設定してください(手順)。Fusion の中で直接作図できる「Fusion 用スクリプト」は有料版として準備中です(選択肢には表示されますが、現在は選べません)。 |
| Shapr3D でモデリングする | STEP | iPad 版・Windows 版・Mac 版とも読み込めます。iPad 版は「共有」ボタンで直接送り、Windows 版・Mac 版はダウンロードして読み込みます(版ごとの手順)。 |
| CAD で使う・加工業者に渡す | STEP | すべてのパーツを正確な曲面(B-rep)で出力します。 |
| 3Dプリントする | 3MF(またはSTL) | 3MF は単位(mm)・材質・メタデータ付き。STL はほぼすべてのスライサーで開けます。 |
| 3D表示・ゲームエンジン・Web | glTF / GLB | 材質の色と、密度などの情報(extras)付き。単位はメートルです。 |
| その他のソフト | OBJ / PLY | 材質情報はファイル先頭のコメント行に入ります。 |
分割数は、STL・3MF などのメッシュ形式で曲面をどれだけ細かい多角形にするかの設定です。大きくするほど滑らかになりますが、ファイルが大きくなります。初期値の 64 で通常は十分です。
出力ファイルには、材質名・密度・体積・質量・重心・寸法・ツールのバージョンが書き込まれ、後で重量や浮力の計算をするプログラムから読み出せます。ただし STL バイナリは、ファイルの決まりで書き込める量が少ないため、材質・密度・質量だけになります。
7. Autodesk Fusion で使う
STEP で読み込む(現在の方法)
- 出力形式で「STEP」を選び、ダウンロードします。
- Fusion の「ファイル → 開く」で STEP ファイルを開くか、データパネルにアップロードします。
- 読み込んだボディを右クリックし、「物理マテリアル」から材質を設定します。STEP に書き込んだ材質・密度は、Fusion では読み込まれないためです。
すべてのパーツが正確な曲面のソリッドとして読み込まれ、フィレットや穴あけ、ほかの部品との結合などの編集ができます(円筒・球は平面・円筒面・球面、エイト環は円筒面とトーラス面、ナツメ錘は滑らかな曲線の回転体、スプリットリングは滑らかな自由曲面)。
Fusion 用スクリプト(有料版で提供予定)
Fusion の中で直接パーツを作図し、物理マテリアルの設定や寸法の後からの変更までできる「Fusion 用スクリプト」を、有料版として準備しています。出力形式の選択肢には表示されていますが、現在は選択できません。
8. Shapr3D で使う
Shapr3D には iPad 版・Windows 版・Mac 版があり、モデリングの機能はどれも同じです。どの版でも、このツールの STEP を読み込めます(すべてのパーツが正確な曲面のソリッドとして読み込まれます)。Shapr3D には外部から作図する仕組み(API)がないため、連携はファイルの受け渡しで行います。
違うのはファイルの渡し方だけです。iPad 版には「共有」ボタンで直接送れますが、Windows 版・Mac 版はダウンロードしたファイルを読み込みます。
| Shapr3D の版 | このツールを開く端末 | STEP の渡し方 |
|---|---|---|
| iPad 版 | iPad の Safari など | 「共有(iPad 版 Shapr3D などへ送る)」ボタン → 共有シートで Shapr3D を選ぶ |
| Windows 版 | Windows のブラウザ | 「生成してダウンロード」→ Shapr3D の読み込み(Import)でファイルを開く |
| Mac 版 | Mac のブラウザ | 「生成してダウンロード」→ Shapr3D の読み込み(Import)でファイルを開く |
出力形式で「STEP」を選ぶと、使っている端末に合わせた渡し方がボタンの下に1行で表示されます。「共有」ボタンは iPad・iPhone などのモバイル端末でだけ表示され、Windows・Mac では表示されません。
iPad 版
- iPad でこのツールを開き、寸法と材質を決めて、出力形式で「STEP」を選びます。
- 「共有(iPad 版 Shapr3D などへ送る)」を押し、共有シートで Shapr3D を選びます。
- 共有シートに Shapr3D が出てこない場合は、「“ファイル”に保存」でこのiPad内に保存し、Shapr3D の読み込み(Import)からそのファイルを開いてください。
iPad では、クラウド上のフォルダにある STEP が「ファイル」の選択画面で薄く表示されて選べないことがある、という報告があります。その場合は、いったん「このiPad内」(ダウンロードなど)に保存してから読み込んでください。
Windows 版・Mac 版
- パソコンのブラウザでこのツールを開き、出力形式で「STEP」を選んで「生成してダウンロード」を押します。
- Shapr3D の読み込み(Import)で、ダウンロードした STEP ファイルを開きます。
Shapr3D のプロジェクトは同じアカウントの端末間で同期されるため、たとえば Windows 版で読み込んだパーツを iPad 版で続けて編集することもできます。
どの版でも共通の注意点
- STEP に書き込んだ材質名・密度は、Shapr3D では読み込まれない可能性があります。質量・水中重量は、このツールの計算値を目安にしてください。
- 単位は mm です。Shapr3D の単位設定が mm 以外のときは、読み込み時の単位を確認してください。
- 読み込んだパーツは履歴のない形状として扱われます。寸法を変えたいときは、このツールで作り直すか、Shapr3D の編集機能で直接変更してください。
9. 座標系と原点
- 出力ファイルは Z軸が上、単位は mm です(glTF だけは形式の決まりに合わせて Y軸が上・単位メートル)。
- 原点の位置:円筒=底面の中心、球・ナツメ錘・スプリットリング=中心、エイト環=2つの輪の中間。
- 球の貫通穴、ナツメ錘の穴、円筒の軸は Z 方向、エイト環は X 方向に長い向きです。
10. よくある質問・うまくいかないとき
プレビューが表示されない
最新の Chrome・Edge・Safari・Firefox をお使いください。ページを再読み込み(Ctrl + F5)すると直ることがあります。
赤い文字のメッセージが出て、プレビューが変わらない
入力値の組み合わせで形が作れない状態です。メッセージの指示に合わせて数値を直してください(例:エイト環の E が短すぎる、側面R が厚みの半分より小さい など)。
実物の重さと計算値が違う
計算値は、入力した寸法と一般的な材料の密度から出した目安です。実物は、製造時の寸法のばらつき、合金の成分、メッキなどの表面処理によって変わります。正確な値が必要な場合は、実物を量って材質の「カスタム」で密度を調整してください。
3Dプリントしたら穴やすき間が小さい
3Dプリンターは、穴やすき間が設計より小さく仕上がることがあります。お使いのプリンターに合わせて、寸法を少し大きめに入力してください。
「Autodesk Fusion 用スクリプト」が選べない
現在準備中のため、選択肢には表示されていますが選べない状態にしています。今後、有料版として提供する予定です(無料版と今後の有料版について)。それまでは STEP を Fusion で読み込んでお使いください。
ご注意
計算値は目安であり、生成した形状の強度や安全性は保証しません。詳しくは利用規約・免責事項をご覧ください。ご意見・ご要望はお問い合わせフォームからお寄せください。